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北海道、東北など雪国に移住すると苦労する?雪かき、光熱費、車事情など移住する前に知っておくべきこと

2020年5月16日

雪国の生活は、住んだことがない人には想像できないような苦労があります。冬の雪かきはどれくらい大変? 光熱費はどれくらい高くなる? 冬の車の運転は危険? 雪国に移住する前に知っておきたい、苦労や対策を紹介します。

雪国に移住すると何が大変?

真っ白な雪景色への憧れや、ウインタースポーツへのアクセスのよさから、雪国での暮らしに惹かれる人もいるでしょう。しかし雪は暮らしに大きな影響を与えるので、適切に対処しなければ日常生活を送ることもままなりません。冬になると毎日の雪かきは想像以上に体力を使うものですし、屋根からの雪下ろしは高所での作業なので危険を伴います。厳しい寒さに見舞われる地域では、冬の光熱費がかさむことも予想されます。また、地方暮らしには車が必須となるケースも多いですが、積雪や凍結した路面で運転することは危険と隣り合わせです。このような厳しい環境で快適に生活する方法はあるのでしょうか。移住を考える際に必ず知っておきたい雪国ならではの生活事情を紹介します。

雪国への移住は雪かきに時間や費用がかかる。負担を減らす方法は?

平均除雪時間(1回あたり)割合
5〜10分9.62%
30分未満39.42%
1時間前後25%
1時間以上11.54%
除雪しない(除雪不要)14.42%

上記の表は、秋田県において降雪時の除雪にかかる時間を調査したものです。40%近くが「30分前後」、25%が「1時間前後」と回答しています。シーズン中は毎日のように30分以上を雪かきに費やすことも珍しくないのですね。

戸建てに住んでいる人はもちろんですが、集合住宅住まいであっても当番制などで雪かきが必要な場合もあります。屋外の駐車場を契約している場合、車を出すために駐車場の除雪作業も行わなくてはなりません。重量のある雪をスコップで持ち上げて寄せたり、堆雪場(たいせつじょう)と呼ばれる排雪した雪を集める場所まで繰り返し運搬するのは、慣れている地元住民でも身体に負荷がかかる重労働です。毎日長時間かけて雪かきをするのは、大変な作業であることが想像できるでしょう。雪国に住みながら少しでも雪かきの負担を軽減する方法はあるのでしょうか。

雪かきの負担を減らす方法1:分譲マンションに住む

分譲マンションでは、住民が雪かきをしなくていいケースもあります。マンション前の地面下に温水パイプが通されていたり、電熱コードを通して融雪する「ロードヒーティング」になっていたり、除雪業者や管理人が除雪業務を行ったりすることがあるためです。分譲マンションでも、分担や持ち回り制で住民が雪かきを行うよう自治会で決まっている場合もあります。

除雪業者や管理人が雪かきをしてくれる契約になっていても、出かけるタイミングで除雪が完了しているとは限りません。通り道や駐車スペースだけでも自力で雪かきをしなければいけないことがあるので、スコップなど基本的な雪かきグッズは家庭ごとに備えておく必要があります。

集合住宅の除雪作業事情は物件によって異なります。賃貸物件の契約や住宅購入の際には、雪かきについての契約条項がどうなっているかを事前に確認しましょう。

雪かきの負担を減らす方法2:市街地に住む

人や車の通行が多い市街地では、公共の除雪対策が手厚い傾向にあります。例えば新潟県長岡市では、「消雪パイプ」という設備が市街地を中心に設置されています。消雪パイプは温かい地下水を汲み上げて散布し雪を溶かす機械で、個人で設置したりメンテナンスし続けるにはコストがかかります。公共の消雪パイプが多く設置されているエリアに住めば、除雪の負担を軽減することができます。

雪かきの負担を減らす方法3:雪かき代行業者に依頼

雪国では民間の雪かき代行業者に除雪作業を依頼することができます。かかる費用やサービス内容は、地域や業者によってさまざまです。参考までに札幌市の例を見てみましょう。札幌市社会福祉協議会がまとめた除雪事業者一覧では、時間や人数あたりの他、場所や内容(玄関前、屋根、落雪、排雪など)によって料金が分類されています。重機を使う場合は別途費用がかかりますし、家屋の形状や雪質で料金が異なるため、事前に見積もりを取ることが推奨されています。基本料金の一例としては、以下のような料金が公開されています。

  • 玄関前:1時間1,600円~3,500円(作業員1人あたり)
  • 屋根(雪下ろし):1時間3,500円~12,000円(作業員1人あたり)
  • 排雪:4tダンプカー1台4,500円~12,000円

排雪(ダンプトラックで堆雪場まで運搬すること)を伴うと特に費用がかさむようですね。排雪が必要かどうかは、住む場所によって異なるので、住宅を探す際に確認しましょう。

雪かき代行業者は個人から大手までさまざまな業者が行っており、中には料金や作業内容でトラブルになることも少なくありません。例えば、「3ヶ月分を前払いしていたのに雪が積もっても除雪しに来てくれなかった」「除雪してほしいタイミングに来てもらえない」「作業員が除雪作業中に隣の家を破損してしまい、修理費は依頼主か業者のどちらが受け持つのかで揉めた」などです。トラブルにならないよう、契約内容や料金プランをしっかり確認してから業者に依頼するといいでしょう。

雪かきの負担を減らす方法4:「支援部隊」や助成制度を利用する

自治体によっては除雪作業の支援や助成制度を利用することができます。例えば、福島県三島町には除雪対策支援部隊があります。依頼をすれば業者が雪下ろしや家の周りの除雪を行ってくれ、一般家庭の除雪作業費は「作業員1名1時間あたり3,500円」となっています。札幌市では、自力で除雪ができない世帯を対象に、課税状況により無料~10,000円の負担金で1シーズンの冬の間、雪かき支援を受けられる福祉除雪事業があります。青森市や新潟県上越市など、業者に除雪を委託した費用を助成してくれる地域もありますよ。

高齢者や障がいを持つ人など除雪作業が困難な世帯については、多くの自治体で支援や助成制度が設けられています。

雪国は光熱費が高い?

北海道東北関東北陸
電気代平均/月10,622円12,052円10,255円14,400円
他の光熱平均/月7,428円4,433円862円2,656円
灯油平均平均/月88,520円52,735円9,934円31,070円

豪雪地帯雪では、長い冬の間、厳しい寒さが続きます。気候に応じて住宅も断熱性の高いつくりになっていますが、それでも暖房費用は高額になります。

上の表は総務省の家計調査から関東地方と豪雪地帯である北海道・東北地方・北陸地方の光熱費データを抜き出したものです。1ヶ月の電気代は、北海道が10,622円、東北地方が12,052円となっています。関東地方の10,255円と比較してもそれほど差は感じられないですね。

一方、灯油代についてはその差は歴然です。関東地方は1万円未満であるのに対し、東北地方5万円台・北陸地方は3万円台、そして北海道は9万円に迫る金額で関東地方の8倍以上にのぼります。灯油に頼る地域では暖房費は高額にならざるを得ないことがわかります。

新しい住宅では蓄熱暖房やパネルヒーティングなどの電気式暖房、都市ガスのヒートポンプなども増えてきていますが、寒冷地ではまだ灯油ストープが暖房機器の主流であるようです。

車の雪・凍結対策も必要

雪国では車の運転にも注意しなければいけません。車体の雪を落としたり駐車場の雪かきは予想できると思いますが、シーズンごとに冬用タイヤに変えるなどのメンテナンスをしたり、雪道や凍結した道での運転にも気をつけたりする必要があります。雪国で暮らす以上、下記のような作業が発生することを知っておきましょう。

フロントガラスの霜

気温がおおよそ4℃を下回ると車のフロントガラスに霜が降りることがあります。霜が降りて窓ガラスが白くなってしまうと、すぐに車を運転することはできません。霜を落とすために、スクレーバーという道具で霜を削り取ったり、解氷スプレーで霜をとかしたりする必要があります。

車の窓ガラスに霜が降りるのを防ぐためには、撥水スプレーやフロントガラスカバーなどで備えておくことも大切です。車庫は車を雪や霜から守るには効果的ですが、車庫前の除雪や屋根の雪下ろしなど別の作業が必要になります。

冬はスタッドレスタイヤに交換

雪道を運転するときは必ず雪道用のスタッドレスタイヤを装着しなければいけません。雪が降る1〜2ヶ月前にスタッドレスタイヤへ交換し、100〜200km慣らし走行をすることが望ましいとされています。

ジャッキを使えば自分でもタイヤ交換できますが、自動車整備店やカー用品店に依頼する場合は夏タイヤと冬タイヤの交換で毎年2回ずつ費用が発生します。オールシーズンタイヤは多少の雪道は走行できますが、雪の多い道や凍結路面では制御力に欠けるので、雪国に住むのであれば冬はスタットレスタイヤに交換しましょう。

しっかり準備をせずに雪が降ってしまうとギリギリで慌てることになるので、雪国の暮らしでは余裕を持って行動することが大切ですね。

雪国の冬の運転は危険! 急ブレーキは厳禁

交通事故発生月件数
1月34,599件
2月33,485件
3月37,806件
4月34,868件
5月35,341件
6月33,719件
7月36,763件
8月36,097件
9月32,459件
10月38,131件
11月37,203件
12月40,130件

上の表は警視庁の統計データによる2018年の交通事故発生状況を月別にまとめたものです。事故発生件数は12月が最も多く、冬場の運転は危険なことが見てとれます。

雪道や凍結路面の運転にはスリップなど大きな危険が伴います。横滑りや坂道を滑り落ちるなど車体の制御が効かなくなる危険性はもちろんのこと、乾燥路面と比べると制動距離がかなり長くなることに注意しなければいけません。

また、冬の道の滑りやすさは通常の乾燥路面に比べると積雪路面で3.2倍、凍結路面で5.4倍、さらにつるつるした凍結路面で8倍になると言われています。

雪道や凍結した道を安全に走るには、スリップさせない運転を徹底する必要があります。冬場はスタットレスタイヤに交換すること、路面状況を見極め安全な速度で走行すること、車間距離を十分にとって走行すること。そして、急発進・急加速・急ハンドル・急ブレーキといった、「急」のつく操作を絶対にしないことです。アクセルを強く踏むとタイヤが空転する恐れがあり、強くブレーキを踏み続けるとタイヤがロックする危険性があります。下り坂では余裕を持った減速とエンジンブレーキを使った速度コントロール、空転しやすい上り坂では特にゆっくりと発進し途中では極力止まらないことなども大切です。雪国では常に神経をつかった慎重な運転が求められることがわかりますね。

まとめ

雪国での暮らしは魅力的ですが、雪国ならではの苦悩もありますね。雪かきの労力、高額な暖房費用、車の手入れや運転の留意点など、その地域で暮らすとどのようなメリットデメリットがあるかは移住前にしっかり確認することが大切です。雪かきなどの負担を軽減する対策はあるものの、その分費用が発生することがほとんどです。体力があるうちは楽しみながら自力で解決できることも、高齢になってくると難しくなります。先々のことを考えても対処していけそうか、移住に踏み切る前に、見通しをもって慎重に考える必要があるでしょう。

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