移住支援情報ポータルサイト移住支援.com

メニュー

日本版CCRCとは?高齢者の地方移住の新たな選択肢!

更新日: Aug 14, 2020

日本版CCRCとは?高齢者の地方移住の新たな選択肢!

高齢者の地方移住に「日本版CCRC」という選択肢があるのをご存じですか?高齢者が地方でアクティブに暮らせて、地方にとっては地方創生のメリットがある日本版CCRCについて、その他のメリット・デメリット、入居費用や先進事例と合わせて紹介します。

日本版CCRCで地方移住するという選択

日本版CCRCで地方移住するという選択

世界のなかでも高齢化が顕著な日本。2025年には団塊の世代が75歳になり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会、いわゆる2025年問題に直面します。

特に首都圏では高齢者人口が2015年から2025年までに175万人増加するとも言われ、医療・介護体制の逼迫が避けられません。一方で、人口減少が進む地方では、病院も減り地域医療に不安があります。

そこで進められているのが日本版CCRCとよばれる構想です。健康なシニアが希望に応じた地方に住み替えてアクティブに暮らし、医療・介護が必要になっても継続的にケアを受けられるような地域づくりです。

移住者が地域を支え、雇用創出・人口流出の食い止めなど、地方創生につながることが期待されています。移住希望者にとっても、共同体を通じて地域に馴染みやすいなど見逃せないメリットがあります。

日本版CCRCとは?老人ホームや介護施設との違いは?

日本版CCRCとは?老人ホームや介護施設との違いは?

CCRCは元々アメリカで始まりました。日本版CCRCは、終身ケアがついた生活共同体というだけに留まらない独自の構想をもち、ターゲットも少し異なります。また老人ホームなどとは違う特徴的な過ごし方や入居条件があります。

CCRCとは?

1970年代のアメリカで始まった制度で、「Continuing Care Retirement Community」、直訳すると「継続的ケア付きの高齢者による共同体」です。自立生活ができるうちに入居し、生活共同体の一員として、医療・介護面で手厚いサポートを受けながら終身で暮らすライフスタイルを指します。

日本版CCRC構想とは?

日本版CCRCは、「生涯活躍のまち」構想として取り組みが進められてきました。都市圏から地方への流れをつくり、首都圏の高齢者増への対応であると同時に、地方創生の切り札として期待されています。計画の基本的な考え方は下記の通りです。

「東京圏をはじめとする地域の⾼齢者が、希望に応じ地⽅や「まちなか」に移り住み、多世代と交流しながら健康でアクティブな⽣活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくり」を⽬指すもの。

引用元:まち・ひと・しごと創生本部「生涯活躍のまち」構想最終報告

同計画では、「高齢者の地方移住の希望実現」、「地方へのひとの流れの推進」、「東京圏の高齢化問題への対応」の3つが意義として掲げられています。地方自治体が地域の特性を活かした基本計画を策定し、国や都道府県と確認・調整の上、事業主体を選定して具体的な事業計画を決定し、監督・支援を行っていきます。移住者は健康なうちに移住し、就労や交流活動など主体的に地域社会に関わることが求められます。

アメリカのCCRCと日本版CCRCの違いは?

アメリカで普及しているCCRCとの大きな違いは、日本版CCRCは地方創生の主要政策という位置づけであり、基本的に移住を前提とすることです。当初は首都圏から地方への流れが想定されていましたが、その後、地域内で近隣から「まちなか」へ住み替えるケースも計画されるようになりました。

移住者は就労などで多世代と関わりながら地域社会を担うことが期待されます。また、アメリカのCCRCが主に富裕層の高齢者を対象とするのに対し、日本版CCRCではより広い層向けの構想である点も異なります。

標準的な年金受給額程度で生活できることを想定しており、また高齢者だけのコミュニティではなく多世代が互いに支え合う地域社会を目指します。

CCRCと老人ホームとの違いは?

一般的な高齢者施設日本版CCRC
入居するタイミング要介護状態になってから入居健康なうちに入居
高齢者の生活スタイル介護サービスを受ける仕事や社会活動などに積極的に参加する
地域との交流高齢者施設内で交流は完結し、地域との交流がほとんどない。仕事や社会活動を通じて、地域のいろいろな世代と交流する

老後の住まいというと、有料老人ホームや介護付きマンションなどをイメージする人も多いかもしれません。CCRCは、一方的にサービスを受ける施設ではなく自立生活を基本とする点が、そうした高齢者施設と根本的に異なります。

健康なうちに移住し、自ら多世代と関わりながら地域で役割をもつことが求められるのです。自立して精力的にセカンドライフを過ごしたい人には、魅力的な選択肢になるでしょう。

介護や医療サービスは必要になった段階で各人が手配して利用することになります。

CCRCの建物は?

CCRCの住宅にはさまざまな形態があります。建物内にさまざまな施設が付帯する大型マンションもありますし、戸建てや団地型の居住用建物と共用施設が分かれたひとつの町のようなタイプも見られます。新規に建築するだけでなく、既存の公共施設や空き家をリノベーションし活用する事例もあります。

CCRCでは毎日何をして過ごすの?

CCRCでは健康に活気をもって生きるためのサービスやプログラムが充実しています。運動など予防医療に関するもの、趣味・生涯学習といった生きがいにつながるものなど、多岐に渡るプログラムや、入居者同士によるサークル活動がさかんな施設もあります。

入居者自身がコミュニティの運営に関わったり施設内や地域で就労の機会があるところでは、社会の中で役割をもつことで生き生きとした暮らしにつながるでしょう。

就労などで共同体に貢献した度合いをポイントとして受け取り、自分が介護などサービスを受ける際にそのポイントを使えるといったユニークな取り組みも見られます。

CCRCの入居条件は?

CCRCへの入居には、まず支援なしで自立した生活が送れる健康状態が条件です。この点が高齢者施設との大きな違いでもあります。施設によって異なりますが、年齢は60歳以上とするケースが多いようです。

CCRCで高齢者が地方移住するメリット

CCRCで高齢者が地方移住するメリット

CCRCは、リタイヤ後も周囲と交流しながら活発に暮らしたい人には大きなメリットをもたらすでしょう。個人での移住、あるいは普通の住宅で老後を過ごすことと比べて、以下のような点が期待できます。

CCRCなら地域に溶け込みやすい

CCRC構想は地域社会に積極的に関わることを前提としています。単独移住と比較すると地域に溶け込みやすいといえるでしょう。

CCRCでは仲間を作りやすい

住む土地が変わると新たな人間関係を一からつくる必要がありますが、CCRCでは共同体の活動を通じて自然に仲間と出会うことができます。娯楽やサークル活動、イベントなど、共通の趣味や目標をもつ人の集まりという点で、より親しくなりやすいかもしれませんね。

CCRCは施設が充実している

当然ながら、CCRCでは一般住宅に比べてシニア向けの設備が整っています。バリアフリーなど個々の居住空間の構造や設備だけではなく、食堂やクラブハウスといったコミュニティ空間、娯楽施設なども充実しています。

要介護になってもCCRCに住み続けられる

CCRCのコンセプトのひとつは、介護が必要になっても転居することなく必要なケアを継続的に受けられることです。そのため、CCRC事業者が提供する、または地域の医療機関や介護事業者と連携した、医療・介護サービスが受けられるような体制が作られています。

もし重度の介護状態になっても、慣れ親しんだ地でそのまま暮らせることは、環境の変化による負担を抑えるのに役立つでしょう。

CCRCに地方移住するデメリットや課題は?

CCRCに地方移住するデメリットや課題は?

入居時に自立生活を前提とし、医療・介護サービスは必要に応じて手配するという特徴は、人によってはデメリットに感じる点もあるでしょう。CCRCという制度自体、運用が始まって日が浅く、多くの現場ではまだ成熟したシステムとは言い切れないのが現状です。

CCRCには介護職員が常駐してない

多くのCCRCで予防医療のプログラムや健康・医療面の相談窓口が設けられていますが、看護師や介護職員がすべての入居者に対し常駐しているわけではありません。介護・看護が必要になった場合、個々に各種サービスを契約して利用することになります。

老人ホームなどとの大きな違いであり、この点を不安に思う人もいるかもしれません。もちろん、地域包括ケアと連携し、滞りなくサービスを受けられる体制づくりが目指されています。

CCRCは契約時に連帯保証人と身元引受人が必要

ほとんどの高齢者施設に言えることですが、CCRCを契約するには連帯保証人と身元引受人が必要です。

日本ではCCRCの歴史が浅い

日本版CCRC構想が政府主導で本格的に動き出したのは2015年頃です。自治体による誘致、企業による事業は広がっているものの、まだ歴史が浅いため課題がすべて洗い出せているとはいえません。

健康だった入居者がこの先要介護状態になったときに、想定通りに医療・介護サービスが滞りなく提供されるかどうかは、今後本格的に直面することになるでしょう。

もし介護利用者が大半になってしまうと、介護人材不足やコミュニティの活気喪失がおこる懸念もあります。継続して多世代が協働するまちづくりを進めていくことが不可欠であり、注視していきたいところです。

CCRCへの入居費用はいくらかかる?

CCRCへの入居費用はいくらかかる?

日本版CCRCの費用は標準的な世帯の収入水準を想定していると前に述べました。とはいえ実際の費用は、立地や形態などによって大きく異なります。分譲型・賃貸型それぞれの施設にかかる費用は、例えば以下のようなケースがあります。

分譲型にかかる費用:千葉県千葉市

入居時の費用入居後の費用
千葉県千葉市(分譲型)販売価格:1300万~7090万円 入会金・施設利用金:190万円コミュニティサービス費:42,858円/月 朝・夕食費:41,905円/月 管理費・修繕積立金:12,970円~31,920円/月

分譲型のCCRCで、居住棟となる大規模マンションを中心に、大型クラブハウスや広い屋外運動施設、充実した食事サービスなどが付帯しています。マンションの購入費のほか、管理費などに加えコミュニティサービス費・食費のサービス費用が月々9万円ほどかかります。

賃貸型・サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用:石川県金沢市

入居時の費用入居後の費用
石川県金沢市(賃貸型・サービス付き高齢者向け住宅)敷金:家賃2か月分家賃:85,000円/月 共益費:20,000円/月 状況把握・生活相談サービス費:15,000円/月

社会福祉法人が運営する、障がい児入所施設・学生向け住宅などが一体となった大規模コミュニティです。サービス付き高齢者住宅は賃貸制で、初期費用として敷金17万円程度から、月々の費用は家賃・管理費の他各種サービス利用費で12万円程度からとなります。

賃貸型・サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用:岐阜県岐阜市

入居時の費用入居後の費用
岐阜県岐阜市(賃貸型・サービス付き高齢者向け住宅)敷金:家賃3か月分家賃:95,000~135,000円/月 共益費:14,000円/月 状況把握・生活相談サービス費:9,000円/月

駅前の総合高層ビル内に賃貸型のサービス付き高齢住宅が設けられたタイプです。デイサービス・看護・ヘルパーなどを含む医療福祉ゾーンや交流スペースが建物内に完備され、高い利便性を誇ります。初期費用は敷金30万前後、月々費用は12万円程度からです。

日本版CCRCの先進事例

日本版CCRCの先進事例

最後に、日本版CCRCの先進事例を2つ紹介します。それぞれのコンセプトに沿ったまちづくりのもとに、入居者や地域住民による特徴的なコミュニティが形成されています。

ゆいま~る那須(栃木県那須郡那須町)

里山にゆったりと立ち並ぶ戸建て風の木造住宅、雄大な緑の景色、食堂でゆったり味わえる地元の食材を使った料理など、「ゆいま~る那須」にはこの土地ならではの豊かな環境があります。共有部には食堂の他、図書室や音楽室・多目的の自由室などを構え、さまざまな催しや教室などが開催されます。

大きな特徴は、居住者が運営に深く関わっている点でしょう。企画段階から入居希望者が建物設計やサービスの検討に参加するという経緯をもち、入居後も運営方法などについてスタッフと隔たりなく話し合える場があります。もうひとつの特徴は入居者が働く場があることです。送迎車の運転手や厨房の仕事、敷地内のデイサービスなどに勤務するほか、ボランティアで庭の整備などさまざまな仕事に多くの入居者が関わります。

ハウス内通貨というユニークな仕組みもあり、食券として使えるほか、買い物や掃除など居住者同士のサービスのやりとりに使うことができます。

スマートコミュニティ稲毛(千葉県千葉市稲毛区)

日本初・日本最大級のCCRCを謳う、分譲マンションとコミュニティ施設が一体となった「スマートコミュニティ稲毛」。1,000人を収容できるマンション部分に加え、大型商業施設をリノベーションしたクラブハウスや2万坪以上の専用グラウンドを近くに備えた、広大なスケールが特徴的です。

飲食店はもちろん、フィットネスや音楽スタジオ、ダンスホールなど豊富な設備があり、毎日数十にものぼる多彩なアクティビティが開催されます。入居者によるサークル活動も精力的に行われ、文化祭や運動会、パーティーなど、年間行事を通じて成果を発表する場にも恵まれています。

原則50歳以上と比較的若い年齢から入居資格があり、シニアがアクティブに交流を楽しみながら健康寿命を延ばす環境が整っているといえるでしょう。

まとめ

日本版CCRCは、リタイヤ後も地域社会で生き生きとシニアライフを過ごし、その土地で終生安心して暮らすことを目指しています。老後の地方暮らしを希望する人にとっても、大きなメリットが期待できます。

ただ、日本での歴史が浅く、デメリットや今後の課題があるのも事実です。将来の選択肢として考えるなら、先行事例について動向を注視していきたいところですね。

移住支援.comは、地方移住を検討中の方へ移住情報をご提供する移住支援ポータルサイトです。

地方移住を失敗しない移住にできるよう、移住に関する仕事や求人・賃貸や古民家など物件情報、移住先での生活環境や自治体の支援制度など、移住に関する様々な情報で移住を支援します。地方への移住をご検討の方は、移住支援.comにお任せください!

© 2020 ijyu shien.com